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YOKU STUDIO的既存のキャリア論の考察 <キャリア・レインボー編>


「YOKU STUDIOの視点で新時代のキャリア観を考える」の第3回です。

前回は内的キャリア(自分軸)として「キャリア・アンカー理論」を取り上げ、検証しました。




今回は外的キャリア(他人軸)として、もう一つのキャリア論を分析していきます。


どうかお付き合いください。




・YOKU STUDIOからみる「キャリア・レインボー」



他人軸による「外的キャリア」とは、固定化された環境下や役割(年齢や役職等)、外的要因(予期せぬ出来事。リストラや昇進等)から意思決定をし、職業選択していく在り方を指します。


前回取り上げたシャインの内的キャリア(自分軸)である「キャリア・アンカー理論」に対し、ここではドナルド・スーパーの「ライフキャリア・レインボー理論」を外的キャリア(他人軸)として取り上げます。


「ライフキャリア・レインボー」とは、1950年代にキャリア発達の理論家であるスーパーが提唱したキャリア論です(スーパー自身の関心はキャリア・カウンセリングにあった為、「理論」と呼ばずに「理論的アプローチ」と呼んでいます)。




・「キャリア・レインボー」とは



スーパーはキャリアを単なる職業とは捉えず、年齢とその時経験する様々なライフロール(役割)と、その取り組み方によって構成されるとしました。


スーパーによれば、人は生涯のうち果たすべき様々な役割が存在するとし、具体的には(1)子供 (2)学生 (3)労働者 (4)家庭人 (5)配偶者(6)親 (7)市民 (8)余暇人 (9)年金受給者等 としています。



スーパーは生涯における各ライフロールの始まりと終わり、相互の重なり合いの概念を虹に見立てたところから「キャリア・レインボー」と名付けました。


人生という舞台において、人は様々な役割を担います。キャリアは個人の能力や組織の中だけで発達するのではなく、その時の年齢と組織内やプライベートな社会活動の中で与えられた役割の影響を受け合い、成長するものとしています。


例えば、組織で働く30代以降ともなれば昇進の可能性もあり、役職に就くかもしれません。そうなれば、それまでよりもさらに果たすべき役割が期待されます。


子供を持つ家庭のある人が、もし子供の成長の大きな節目(入学や受験等)と昇進のタイミングが重なれば、その父親として、または母親としての役割も果たしつつ、組織人として並行して職務を遂行していく必要があります(昇進を辞退する選択肢もあります)。子供との関わり合い方を通して、コミュニケーション方法を学び、部下とのコミュニケーションに活かすこともあるでしょう。


そしてまたある人は、同じ年代であったとしても、スキルアップの為に働きながら学校に通う「学生」かもしれません。学校で学んだ新たな知識が、自分の従来の仕事に刺激を与える可能性もあります。もしくは定年退職した後は、年金を受給しながら、キャリアを活かしてボランティア活動に勤しむ「余暇人」かもしれません。




・「キャリア・レインボーの問題点」



始めでも触れたように、当時は「キャリア」と言えば外的環境、すなわち組織や役職等を指していました。今でいうところの「外的キャリア」です。対して、スーパーが考えたキャリア発達は、社会や周囲との相互関係を保つために、その時々の自身の立場に応じた役割を果たしつつ、自らが成長しながら、自分らしい人生を実現していくことです。


このスーパーのアプローチは、組織だけではなく、家庭などプライベートな領域にも目を向ける点で、社会における個人の役割を仕事だけに限定しないキャリア教育やキャリア・カウンセリングの基盤になりました。



確かに当時(土の時代)の価値観から考えれば画期的で、この功績は大きいと思います。しかし時は風の時代、社会構造は変化し、終身雇用制神話は崩れ去り、働き方や働く意識も大きく変わりました。この変化は今後も、ますます勢いを増して変化し続けるでしょう。


その予測の上でYOKU STUDIOの視点で見ると、「組織」同様、「(組織以外の)家庭内の役割」ですらも、外部から与えられた「他人軸」であり、「個人」と分断した上でキャリアが語られている印象が強く、ブラッシュアップさせていく必要があるのではないか?というのが今回の検証結果です。



シャインの内的キャリアである「キャリア・アンカー」とスーパーの外的キャリアである「ライフキャリア・レインボー」。この二項対立を脱却した新たな価値観とは何かを次回検証していきます。