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美術館は入りづらい?〜気楽に楽しむ美術鑑賞のすすめ〜


こんにちは。
突然寒くなりましたね!こんな時はコート着て、マフラーしてぬっくぬくの状態で映画館まで走ってカフェオレだけ買ってその日たまたま見れそうな回の映画を見ましょう!


その映画が果たして面白いか、おいおいー!!って思うくらいの駄作かハラハラしますね。笑「

おっ?今回は映画の話か?」と思った方!

残念〜今回は美術館のお話です。映画のお話はまたさせてくださいね!








先日、上野の東京都美術館で開催されている「永遠の都ローマ展」に行ってきました。イタリアのカピトリーノ美術館に所蔵されている、古代ローマの彫刻やモザイク画、その後の時代に古代ローマから着想を得て作られた絵画などが展示されていました。


古代ローマといえばやっぱり彫刻!!…と私は思っています。有名な作品だと「プリマポルタのアウグストゥス」でしょうか?

古代ローマの彫刻作品とよく似ているものに古代ギリシアの彫刻作品があります。古代ギリシアの有名作品は「ミロのヴィーナス」あたりですかね?よく似ていますが古代ギリシアの作品は神話上の神々や神への捧げ物として作られています。


一方、古代ローマの作品は時の皇帝やその近親者など実在の人物をもとにしています。

前者が理想的な肉体美を表現しているのに対し後者は「こういう人いるよなぁ」と思えるほど人間味があります。今回のローマ展でもそうした作品が多く展示されていました。

「おっ!カラカラ帝ってイケオジやん?ぺドロ・パスカルに似てる…」「このお妃様の髪型…どうなってる?縦巻きの前髪とな…?」「コンスタンティヌス帝の鼻はコンスタンティヌス!!って感じで主張が強いなぁ。」なんて思いながら鑑賞できるのでローマ展は美術初心者の方にも比較的見て楽しい美術展だと思います。


しかし、美術館というところはものすごーく静かなので一緒に行ってくれた人と堂々と会話するのは少し気が引ける…うぅ〜こういうところが美術館って敷居が高いって言われる一因だわい!なんてまた思ったのですがいや?これ使えるな!!という発見をしたので今回はその発見についてお話しします!








第一回〜2、3回あたりまでに書いたのですが、自分の趣味のみに頼ったオタク的鑑賞と流行や著名人が良いとするものを鵜呑みにするミーハー的鑑賞の脱構築が「欲、鑑賞しよう」の目指すものでした。

美術館に展示されている作品はほとんどが世に認められた作者が制作したものか、歴史的価値のある作品です。この時点でミーハー的鑑賞ならば見るだけで内容はどうであれ満たされているでしょう。

でもここで満足して欲しくない!!のが私です。笑


私が古代ローマの彫刻作品を見ながら「カラカラ帝イケオジ♡」と思ったように著名な作品を自分の好み全開にして面白がりながら鑑賞してほしい!!なぜならばその方が面白いから!!笑


美術・芸術作品の見方は二通りあると言われています。

一つは、作品の制作の背景や作家の特徴をもとに何を表現したかったのかを見る方法。もう一つは、自分の直感で何が表現されているかを見る方法です。


前者の見方をするには事前準備が必要でなかなかめんどくさそう…。もし美術館が誰かと常に語り合える場でその作品についてなんやかんやと語り合える空間だったとしたら、作者の経歴や作品のコンセプト、その背景にあるもの、作風などなどしっかり理解していなくては語れない!と私は思ってしまいます。

「のだめカンタービレ」で留学先のコンセルヴァトワールの授業で曲を聴いてその曲や作家についてディスカッションする授業で周りの生徒の博識さや感受性の豊かさににパニックになっていたのだめを思い出してしまいます。笑


後者の見方は「美的センスがないからわからない」と感じている人には苦痛に感じてしまいそうです。

実際、美術の世界に片足を突っ込んで少し勉強している私はどう見ているのかというと…作品に「アテレコ」しています。笑

勉強はしているもののお気に入りの作家以外のことはさほど知識がないため前者のような見方はあまりしていません。少し後者よりの見方ではありますが感覚的には一人IPPONグランプリをやっているような面白おかしい鑑賞をしています。作品を自分の好み全開で見てほしい!というのはこのような肩肘張らずに目の前の作品を面白がりながら自分なりの考察をして欲しいからです。

先ほど出てきた「美的センス」というものもこうした自分なりの考察を楽しむうちに身についてきます。そして一番この記事で伝えたかったのは、このような自分の考え方や感じ方を楽しむ場として美術館は最適!ということです。








皆さんは私的な好みや考えを公に話すことって多少なりとも抵抗を感じませんか?


世の中で良いとされているものからずれているようなものが好きとか、たいしてよくそのものについて知らないけどなんとなくこう感じるという状態で話すともっと好きな人、詳しい人になんか言われるかも…などなど好みを話すことには幾多の不安がつきものです。


「欲、鑑賞しよう」でお勧めしている鑑賞+コミュニケーションを楽しむためには自分の好みがどんなものかが明確になっているとより面白がりながら鑑賞からの影響を受けたり与えることができます。

この自分の好みがどんなものかを掴む上で美術館は格好の場です。なんせ静かすぎて話せないので作品について何を思おうが自由!どんなに有名作品でも「なんか違うなぁ…」と思ってもOK!笑


ついでに「この作品ってこんな風にも見えるな」なんて面白おかしく考えてもらったらなお素晴らしいです。自分の好みや考え自体を否定せず楽しみながら嗜むことでぼんやりとしていた好み、考えの輪郭を掴見やすくなります。自分の感覚をしっかり掴むことはコミュニケーションする上で自己を表現することへの不安を和らげてくれます。

「なんかよくわからんけどこんな感じ」よりは「〇〇に似てる感じ」と表現できた方がいくらか伝わりやすいはず!


とはいえ人と人とのコミュニケーションは必ず誤配を孕んでいます。

自分が発した言葉の意味ないようやニュアンスが100%相手に届くということはありません。私のアテレコしながら美術鑑賞することなどは表現されたものが誤配されることを前提としながら表現を楽しむ方法の一つです。

美術館で作品を鑑賞するときは言葉を発するわけではありませんが無言のうちに作品とのコミュニケーションが行われておりそのような内面でのコミュニケーションを楽しむことは、実際に言葉を発したコミュニケーションを行うことを楽しむことへもつながります。







今回、美術館に身を置いて感じたことがもう一つありました。

美術館というのは現代には貴重な空間です。なんせ撮影禁止エリアが多いのでスマホを常時見ているなんてこともできない。さらには静かだから普通の音量で話すのも難しい。こりゃあもうぼーっと作品を見るしかありませんよね。笑


そうしてぼーっと鑑賞していると作品を通しながら自分が何を思っているのかをまるで独り言を呟いているかのように明瞭に感じました。

普段生活していても何かしら感じているはずなのに脇見できるものがないというだけでこんなにも明瞭に感じ取れるのか〜人間ってマルチタスクはあんまり向いてないんだなぁとしみじみ感じました。笑


ながーーーくなってしまいました。

作品の「アテレコ」しながらの鑑賞についてまた詳しくお話しできたらと思います。皆さんの美術の鑑賞方法なども聞けたら嬉しいです!ではまた次回お会いしましょう!




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