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【運命編】 自分史上いちばん幸せな、ストーリーの作り方 − 宿命性をオリジナルにデザインしてみる。
これからの時代は、私たちの人生を支配するものとしての「カルマ」にとらわれ続けるのではなく、私たちの手で(仮)の宿命性を作っていくことができる時代。
今回は、この前向きな(仮)の宿命性としての「ポジティブカルマ」を作り、それを自分の人生に生かしていく方法について、具体例を挙げながらご紹介します!
・CASE3 「向いてない…」 職場での挫折
大学生のCさんは、最近、カフェでの接客のアルバイトをはじめました。
もともと人見知りな性格で、それを克服したいなとずっと思っていたこともあり、コロナ禍が少し落ち着いたこのタイミングで、新しい挑戦をしようと思ったのです。
カフェでのアルバイトは憧れでしたが、いざ始めてみると大変なことばかり。レジ打ちの経験もなかったCさんは、覚えることもたくさんで、あたふたして勤務時間が終わってしまうことが続きました。
「手順を間違えないように…」と緊張して仕事をしていると、いちばん肝心であるはずの「接客」に意識が向かなくなってしまいます。
「笑顔がなくなってるよ!顔が怖いよ!」と先輩に注意されて、一生懸命笑顔を作ってみるけど、なんだか不自然。
お客さんと楽しそうにコミュニケーションをしている同僚たちを見て、「ああ、私ってやっぱり、こういう仕事、向いてない…」と落ち込んでしまい、バイトに行くのが憂鬱になってしまいました。
・憧れのアイドルへの親近感
バイトが休みの日、Cさんは外に出るのも面倒で、布団にもぐったまま、のんびりYouTubeの動画を観ていました。
たまたま、おすすめ動画として出てきたのは、彼女が小さい頃に大好きだったアイドルでした。
すでに芸能界を引退してしまったけれど、一時代を築いた伝説のソロアイドルです。
懐かしいなあと思いながら、わくわくしてMVやライブ映像を見漁っている中で、そのアイドルのインタビュー動画を見つけました。
そこでアイドルが語っていたのは、元々は人見知りな性格で、人前に出てパフォーマンスをする時、最初は胃が痛くなるくらい緊張していたこと。
歌とダンスの練習は大好きだけど、ファンサービスが苦手で、すごく悩んだこと。
だけど、応援してくれるファンを笑顔にしたいという思いで活動を続けていくうちに、「アイドル」という職業を心から楽しめるようになったこと…。
小さい頃のCさんには、「笑顔がかわいい完璧なお姉さん」に見えていた憧れのアイドルが、デビューしたての時にはそんな葛藤を抱えていたことに、とても親近感を覚えました。
「私も、あの子みたいに自然な笑顔をふりまいて、周りの人を笑顔にする人になりたい!」、と思ったCさんが取った行動とは……
・憧れのアイドルが「私」の過去世になる?
次の日からCさんは、バイト先のカフェにおいて、あの憧れのアイドルの生まれ変わりになったつもりで働いてみることにしました。
もちろん、職場で歌って踊るわけではありません(笑)。
ためしに、自分のカフェでの仕事を、アイドルのパフォーマンスに重ね合わせてみたのです。
まず、レジ打ちやドリンク提供の仕事は、アイドルで言えば、歌やダンス。
余裕を持ってパフォーマンスできるようにするために、ノートに手順を整理しながら何度も練習し、頭で考えなくても自然に手が動くようになるところまで持っていきました。
そして、カウンターでの接客は、言うまでもなく、ファンサービス。
目の前のお客さんに喜んでほしいという気持ちで接客していると、自然と笑顔が出せるように。
すると、お客さんからの反応も良くなり、徐々に会話も弾むようになりました。
なにより、自分があの憧れのアイドルだと思って仕事をしていると、かつてCさんの心を占めていた「向いてない…」という暗い気持ちが出てこなくなりました。
アイドルを「天職」と言い切り、ステージに立ってたくさんのファンを幸せにしていたあの子のように、自分はこの場所で求められているんだと、ためしに信じてみたことがきっかけとなり、実際に自信を持って楽しく働けるようになったのです。
・なりたい自分を「過去世」として選択する
Cさんが取った行動を、スピリチュアル的に考えると。
まさに彼女は、憧れのアイドルを自分の「過去世」にしていたと言えます。
この場合、もちろんそのアイドルは存命なので、「それって変じゃない?」って思われる方もいるかもしれません。
でも、過去世として選択する人生が、もう亡くなった人物のものであるとは限りません。
前回お話ししたように、グループソウルの視点に立てば、過去→現在→未来という直線的な時間軸はありません。
そこでは、過去も未来も、パラレルリアリティのように、同時並行的に存在しています。
だから、お互いのグループソウルが融合していれば、存命のアイドルの人生が、その人の過去世になったとしても、おかしくないわけです。
Cさんは、「いまここ」の自分の現状を見つめ、憧れのアイドルへの親近感を抱き、「あの子みたいになりたい!」と思いました。
そして「自分はあの子の生まれ変わり」という(仮)の宿命性を引き受けることによって、職場で自分らしく輝く未来を引き寄せました。
つまり、憧れのアイドルとグループソウルレベルで融合し、その人生を過去世として選択し、それと「いまここ」の自分とを繋げて、望む未来へのストーリーを構築したのです。
なりたい自分のモデルケースとしての誰かの人生が自分の過去世であること、つまり誰かの人生が「いまここ」の自分につながっていることを、一つの可能性として信じてみる。
それが、前向きな(仮)の宿命性としての「ポジティブカルマ」の作り方です。
それが「いまここ」の自分に親和性があり、望む未来に向かっていく上で必要なのであれば、極端な話、それがアニメのキャラクターの人生だっていいのです。
ただし、「私はあの人の生まれ変わりだから、あの人と同等の扱いを受ける権利がある!」などと、その可能性に執着するのは逆効果です。
それだけを盲目的に信じ続けるのは、「グラウンディング」が外れている、つまり「いまここ」の自分を見失っている状態。
それでは、戦略的なストーリーの構築はできません。
一種のゲームのような感覚で、無限の可能性を見渡した上で、あえて誰かの人生を選択し、自分の過去世として引き受けてみる。
こんなふうにとても軽やかに、自分の運命をオリジナルにデザインしていくことができるのが、これからのスピリチュアルの可能性なのだと思います。