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【悟りのその先へ】未来の可能性を、いま楽しむ。
みなさんは、未来を楽しめていますか?
「未来を楽しむ」ってどういうこと?と思われる方、多いと思います。
なにか実現したい目標や、将来の夢が明確にある場合、未来は「目指すもの」ですよね。
ある程度、現在の自分の安らぎや楽しみを犠牲にしてでも、目指すべき未来のために頑張った方がいい、という考え方が良しとされる風潮って、かなりあると思うんです。
けれど、そのような考え方を持って、自己犠牲的にひたすら頑張っても、目指す未来が叶わなかった場合、負の感情に支配されやすいんですよね。
すごく落ち込んでしまったり、自分を責めてしまったり、周囲に対する攻撃性が出てしまったり。
また、もし目指す未来が叶って、喜びや達成感にひたることができたとしても、それまで一つの目標に向かって一心不乱に頑張ってきた期間が終わると、燃え尽き症候群のようになってしまうこともしばしば。
前回は、ポスト「悟り」の実践における、過去の複数の可能性の活用方法についてお話しました。
今回はその未来編!
複数の未来の可能性を想定し、そこからエネルギーを獲得することが、フラットな観点で「いまここ」を楽しみつつ、前へ進む推進力を獲得する鍵なんです!
・未来は「いまここ」にしかない
「未来はいつも、『いまここ』にしかない。」という記事を書いたことがあります。
そもそも、私たちが想像する未来は、現在時にしかありません。
なぜかというと、いつかその未来が実現する時、それは現在時の出来事になるから。
未来というのは「いまここ」の予想でしかないんですね。
だから、一つの確定的な未来、「私は将来、絶対にこうなる」というビジョンは、実は幻想と言っても良いのです。
未来というのは、実はたくさんの可能性に開かれていて、それを限定して考えているのは、「いまここ」の自分の意識なんです。
・未来を一つに絞ると苦しくなる
もちろん、未来のビジョンを持つことは、けっして悪いことではありません。
しかし、その未来のビジョンが、一つに限定されてしまうと、様々な弊害ができるのもたしか。
なぜなら、それを一つだけに限定してしまうと、「いまここ」の自分の感覚を見失い、「いまここ」の行動を制限する方向に進みがちだからです。
しかもその目標が、時期的に遠ければ遠いほど、「いまここ」の自分を満たすことからは、意識がどんどん離れてしまいます。
たとえば、「私は絶対に来年の資格試験に合格する!他の可能性はありえない」というように、目標を定めたとします。
それはたしかに、資格試験の勉強に対する強いモチベーションになるでしょう。
でも、「いまここ」の自分を満たしてあげることを忘れて、一心不乱に勉強に打ち込むことは、少しリスキー。
1年間の準備段階で体調を崩してしまうこともあるでしょうし、本番の試験の結果によって、自分の感情や思考が大きく左右されてしまうことも多いです。
ある意味で、その一つの未来のビジョンに対する執着が生まれてしまうと、たとえそれが前向きなモチベーションにつながるものであっても、結果的に自分を苦しめてしまうのです。
・複数の未来の可能性で「いまここ」を満たす
だからこそ重要なのは、未来の可能性を、できるだけ複数、しかも身近な範囲に想定すること。
一つの未来のビジョンだけを持っていると、「どうしてもそれを実現しなければ!」という強迫観念に駆られてしまいます。
けれど、それが複数、しかも身近な範囲にあれば、「いまここ」の自分を満たしながら、前向きなエネルギーを獲得することが可能なんです。
たとえば、同じ「資格試験に合格する」という目標を持っていたとして。
「1日に1時間勉強する」「勉強の合間に美味しいコーヒーを飲む」「時々、休憩として好きなアイドルの動画を見る」「月に1回は友達と遊ぶ」…
そのような未来のヴィジョンは、「いまここ」の自分が気軽に楽しめる行動に直結しやすいですし、過度なストレスにもなりづらいですよね。
「いまここ」の自分が無理なく、ワクワクした気持ちで想起できるような、様々な未来の可能性を考えると、未来というのは、「いまここ」を規定するものではなくて、「いまここ」にエネルギーを与えてくれるものに変わります。
想定する未来が複数あれば、それに対する執着も薄まります。
「実現すれば嬉しいな、でももし実現しなくても、それはそれだよね。」
これくらいの、ふんわりしたモチベーションこそ、「いまここ」の自分を、ストレスフリーかつ前向きにしてくれるものなのではないでしょうか。
そのようなモチベーションを持っていた方が、実は、自分にとって望ましい結果につながりやすいように思います。
ポスト「悟り」の実践においては、複数の未来の可能性を想定し、それによって「いまここ」を満たすことが何よりも重要。
「いまここ」の充足こそが、前向きに自分を突き動かしてくれる行動のみなもとになるのだと思います。